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調剤ベースアップ評価料の対象者は?パート・事務も対象、本部職員は対象外|全国の薬局の77.2%が届出

調剤ベースアップ評価料は、誰の賃上げに使われるのか。答えを先に書くと、薬局で働く40歳未満の薬剤師・事務職員・パートは対象で、管理薬剤師・40歳以上の薬剤師・本部職員・業務委託の人は対象外です。2026年6月の調剤報酬改定で新しくできた点数で、全国8つの地方厚生局の名簿を編集部で数えたところ、保険薬局61,987か所のうち47,880か所(77.2%)が届け出ていました(2026年8月1日または9月1日時点)。

ただし、目標の率(薬剤師3.2%・事務職員5.7%)は職場全体の目標で、一人ひとりに保証された額ではありません(2026年10月3日確認)。薬剤師の40歳の判定日などは薬剤師のベースアップは40歳未満だけ?で扱っています。

調剤ベースアップ評価料の対象者。40歳未満の薬剤師・事務職員・パートは対象、管理薬剤師・40歳以上の薬剤師・本部職員・業務委託は対象外。処方箋の受付1回につき4点。全国8つの地方厚生局の名簿を編集部で数えた結果、保険薬局61,987か所のうち47,880か所(77.2%)が届け出ていた(2026年8月1日または9月1日時点)
点数
処方箋の受付1回につき4点(2027年6月から2倍の予定)
対象
40歳未満の薬剤師・事務職員・パート(業務委託は除く)
対象外
事業主・管理薬剤師・40歳以上の薬剤師・本部職員・エリアマネージャー
届出(全国)
47,880か所/61,987か所=77.2%(編集部集計)
確認日
2026年10月3日

調剤ベースアップ評価料とは(4点・2026年6月新設)

厚生労働省の概要資料は、新設の理由を「薬局の薬剤師及び事務職員等の確実な賃上げを図る観点から、調剤ベースアップ評価料を新設する。」としています。点数表では「4点」で、「処方箋の受付1回につき」算定します。2027年6月からは「令和9年6月以降においては、所定点数の100分の200に相当する点数により算定する」とされ、2倍になる予定です(令和9年度の予算編成で調整する条項があり、確定ではありません)。

対象になる人・ならない人

施設基準の通知は、対象職員を「当該保険薬局に勤務する職員(事業主、使用者、開設者、管理者、40 歳以上の薬剤師及び業務委託により勤務する者を除く。」としています。働き方ごとに整理すると次のとおりです。

働き方扱い
40歳未満の薬剤師対象(目標3.2%)
40歳以上の薬剤師対象外
管理薬剤師対象外(疑義解釈で「対象とならない。」)
事務職員(調剤事務など)対象(目標5.7%)。年齢の制限はない
パート(非常勤)対象職員から非常勤を除く定めはない
派遣の職員薬局が派遣元と相談して同じ程度以上の賃金改善を行うなどの条件を満たせば、対象にできる
業務委託で働く人対象外
本部職員・エリアマネージャー調剤業務などに直接従事していなければ対象外。兼務なら、主として調剤業務などをした月だけ対象
出向で来ている職員出向先の薬局が出向元と協議して、賃金改善の実績に含めてよい
店舗販売業(市販薬の売り場)の職員評価料の収入は保険調剤に従事する職員の賃上げにだけ使う
施設基準の通知(調剤の抜粋)、疑義解釈その1 問2・問3、その2 問8・問9・問10より編集部作成(2026年10月3日確認)
  • 本部職員——施設基準の通知は「他の保険薬局又は事業所を主たる勤務先とし、当該保険薬局における調剤業務等に直接従事していない管理的業務に専従する者(本部職員、エリアマネージャー等)は、対象職員に含めない。」としています。調剤業務や保険請求事務を主にしながら本部の仕事を兼ねる人について、疑義解釈その2 問9は「主として保険薬局の調剤業務等に直接従事した実績のある月のみ当該保険薬局の対象職員として取り扱う」としています
  • 出向——同じく問10は、出向元が賃金を払っている職員について「出向先の保険薬局が出向元と協議して、当該対象職員の賃金及び賃金改善の額を把握し、出向先における賃金改善の実績に含めてよい。」と答えています
  • 店舗販売業——施設基準の通知は「店舗販売業を併設している保険薬局においては、当該評価料により得られる収入を保険調剤に従事する職員の賃上げにのみ用いることとし、店舗販売業に従事する職員の賃上げには用いないこと。」としています
  • 派遣・業務委託——疑義解釈その1 問2は、派遣の職員を条件つきで対象にでき、「なお、業務委託職員(請負業務を行う職員)については対象外とする。」と答えています

いくら?(保険薬局の平均の給料に当てはめる)

中央社会保険医療協議会の第25回医療経済実態調査は、保険薬局の職種別に、常勤1人あたりの平均給料を出しています。目標の率を当てはめた目安は次のとおりです。

職種(開設者)平均給料(年)月あたり目標の率月の目安
薬剤師(法人)4,251,250円354,271円3.2%11,337円
薬剤師(個人)3,732,826円311,069円3.2%9,954円
事務職員(法人)2,316,568円193,047円5.7%11,004円
事務職員(個人)2,258,406円188,201円5.7%10,727円
管理薬剤師(法人)6,449,281円537,440円対象外
中央社会保険医療協議会「第25回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告(令和7年11月26日公表)の概要」の職種別常勤職員1人平均給料年(度)額等(保険薬局・前年(度))より編集部作成(2026年10月3日確認)。平均給料は賞与を含まない。月あたりは年額÷12、月の目安はその月額に率を掛けた編集部試算(1円未満を四捨五入)。調査の薬剤師には40歳以上も含まれる。※スマートフォンでは横にスクロールできます

調査の「前年(度)」は、「令和6年4月から令和7年3月末までに終了した事業年(度)」で、改定より前の給料です。目標は「令和8年度に3.2%(看護補助者・事務職員は5.7%)、令和9年度にさらに3.2%(看護補助者・事務職員は5.7%)の賃上げを目指す」とされ、2027年度の分には令和9年度の予算編成で「加減算を含め更なる必要な調整を行う。」という条項があります。

全国の保険薬局の届出の割合(編集部集計)

調剤ベースアップ評価料は、薬局が地方厚生局に届け出てはじめて算定できます。全国8つの地方厚生局(と四国厚生支局)が公開している薬局の指定の一覧と届出受理医療機関名簿を、編集部で数えました。

地方厚生局薬局届出あり割合
北海道2,2491,83381.5%
東北4,4073,43177.9%
関東信越23,05017,38975.4%
東海北陸8,5226,49676.2%
近畿10,6258,12476.5%
中国四国3,6842,95380.2%
四国(四国厚生支局)1,8921,44476.3%
九州7,5586,21082.2%
全国61,98747,88077.2%
各地方厚生局(四国厚生支局を含む)の「コード内容別医療機関一覧表」(薬局)と「届出受理医療機関名簿」(薬局)の表計算ファイルより編集部集計(2026年10月3日確認)。薬局=状態が現存で、指定年月日が名簿の基準日以前のもの。届出あり=名簿の受理届出名称に調剤ベースアップ評価料があるもの。基準日は東北・関東信越が2026年8月1日、ほかは2026年9月1日
都道府県薬局届出あり割合
北海道2,2491,83381.5%
青森県60148480.5%
岩手県62348878.3%
宮城県1,20591876.2%
秋田県49539078.8%
山形県59245276.4%
福島県89169978.5%
茨城県1,3331,04178.1%
栃木県95069272.8%
群馬県97775477.2%
埼玉県3,2422,58779.8%
千葉県2,6671,96573.7%
東京都7,1005,19473.2%
神奈川県4,1933,13074.6%
新潟県1,12695384.6%
富山県50742483.6%
石川県56048386.2%
福井県32626280.4%
山梨県46534574.2%
長野県99772873.0%
岐阜県1,03472269.8%
静岡県1,8861,45277.0%
愛知県3,6702,70873.8%
三重県86570781.7%
滋賀県67155082.0%
京都府1,18090977.0%
大阪府4,6643,49274.9%
兵庫県2,7552,15178.1%
奈良県56743977.4%
和歌山県46232169.5%
鳥取県26320577.9%
島根県33428785.9%
岡山県83168482.3%
広島県1,5111,19078.8%
山口県74558778.8%
徳島県38028675.3%
香川県51841580.1%
愛媛県62247175.7%
高知県37227273.1%
福岡県2,9542,39981.2%
佐賀県49541784.2%
長崎県69854277.7%
熊本県88374884.7%
大分県56645380.0%
宮崎県57148184.2%
鹿児島県83471986.2%
沖縄県55745181.0%
同上の編集部集計(2026年10月3日確認)。最も高いのは石川県・鹿児島県(86.2%)、最も低いのは和歌山県(69.5%)

全国の薬局のおよそ4分の1は、この時点で名簿に届出が載っていませんでした。届け出ていない薬局には、調剤ベースアップ評価料のお金は入りません。病院・診療所の全国の割合はベースアップ評価料の届出は診療所68.6%・病院96.4%にまとめています。

自分の職場で確かめること

  • 届け出ているか——地方厚生局の名簿で、薬局の行の受理届出名称(略称は「調剤ベ」など)を見ます。見方はベースアップ評価料が給料に反映されない?にまとめています
  • 説明を求める——施設基準の通知は、対象職員から照会を受けた場合に「書面を用いて説明すること等により分かりやすく回答すること。」を薬局に求めています
  • 自分は対象か——年齢(40歳の判定は給与の支払いの対象となった月の初日)と、管理薬剤師かどうか、雇い主(派遣・業務委託・出向)を確かめます

よくある質問

調剤ベースアップ評価料の対象者は?
薬局に勤務する職員のうち、事業主・使用者・開設者・管理者(管理薬剤師)・40歳以上の薬剤師・業務委託で働く人を除いた人が対象です。40歳未満の薬剤師、事務職員、パートの職員は対象です。本部職員やエリアマネージャーは、調剤業務などに直接従事していなければ対象外です(2026年10月3日確認)。
パートの薬剤師・事務も対象ですか?
対象職員から非常勤を除く定めはありません。パートでも、40歳未満の薬剤師と事務職員は対象です。
調剤ベースアップ評価料は何点ですか?
処方箋の受付1回につき4点です。2027年6月からは2倍(8点)になる予定ですが、令和9年度の予算編成で調整する条項があります。
どれくらいの薬局が届け出ていますか?
全国8つの地方厚生局の名簿を編集部で数えたところ、保険薬局61,987か所のうち47,880か所(77.2%)が届け出ていました(2026年8月1日または9月1日時点)。

出典

本記事の条件・日付は、上記の公表資料の記載を確認日時点で書き写したものです。月の目安は調査の平均に目標の率を掛けた編集部試算で、届出の割合は公開された一覧と名簿を編集部で数えたもの(国の公表値ではない)です。実際の支給額は勤務先ごとに異なります。当編集部は、記事で取り上げる薬局・求人サービス各社の関係者ではありません。

更新履歴

  • 2026年10月3日:公開