訪問看護のベースアップ評価料2026|1,050円(注3は1,830円)、2027年6月から2,100円の予定
訪問看護のベースアップ評価料は、2026年いくらなのか。答えを先に書くと、訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)は2026年6月から1,050円です。2026年3月31日時点で届け出ていたなど、継続して賃上げをしているステーションは、注3の1,830円を算定します。2027年6月からは2,100円(注3は2,880円)になる予定です(厚生労働省の告示、2026年9月29日確認)。
ただし、この金額は職員1人がもらう額ではありません。留意事項通知は、訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)を「訪問看護管理療養費(月の初日の訪問の場合)又は包括型訪問看護療養費を算定する利用者1人につき、月1回に限り算定する。」としています。医療保険で訪問看護を受ける利用者1人ごとに、月1回、ステーションに入る額です。働く人の目安になるのは国が掲げる賃上げの目標のほうで、厚生労働省の資料は「令和8年度に3.2%(看護補助者・事務職員は5.7%)、令和9年度にさらに3.2%(看護補助者・事務職員は5.7%)の賃上げを目指す」としています。
- 2026年6月〜
- (Ⅰ)1,050円(注3は1,830円)
- 2027年6月〜
- (Ⅰ)2,100円(注3は2,880円)の予定
- 何に対して
- 医療保険の利用者1人につき月1回、ステーションに入る額
- 働く人の目標
- 2026年度3.2%(看護補助者・事務職員は5.7%)
- 対象外の人
- 専ら管理者の業務をする人、業務委託で働く人
- 確認日
- 2026年9月29日
「令和8年度」は2026年度、「令和9年度」は2027年度です。ベースアップ評価料の算定の年度は、6月から翌年5月までで区切られています。病院・診療所・薬局を含む制度の全体はベースアップ評価料の総まとめで扱っています。
訪問看護ベースアップ評価料の金額(2026年6月から・2027年6月から)
訪問看護療養費の告示(令和8年厚生労働省告示第74号)に書かれた金額は次のとおりです。どれも利用者1人につき月1回、ステーションが算定します。
| 種類 | 2026年6月〜 | 2027年6月〜(予定) |
|---|---|---|
| (Ⅰ) | 1,050円 | 2,100円 |
| (Ⅰ)の注3 | 1,830円 | 2,880円 |
| (Ⅱ) | 区分1〜18:30円〜540円 | 区分1〜36:30円〜1,080円 |
| (Ⅱ)の注7・注8 | 区分1〜18:40円〜1,040円 | 区分1〜36:40円〜1,580円 |
告示は、(Ⅰ)について「令和9年6月以降においては、所定額の100分の200に相当する額により算定する。」、注3の額について「令和9年6月以降においては1の所定額に代えて、2,880円を算定する。」と定めています。2027年6月からの金額は、改定の時点で告示に書き込まれています。ただし、2025年12月24日の大臣折衝事項には「令和9年度予算編成において加減算を含め更なる必要な調整を行う。」という条項があり、確定ではありません。見通しは看護師の給料は2027年も上がる?で扱っています。
(Ⅱ)は、(Ⅰ)に上乗せして算定する額です。厚生労働省の早見表は、(Ⅰ)だけを届け出るステーションを「<大半のステーション>」とし、(Ⅱ)の対象を「ベア評価料(Ⅰ)のみでは賃上げ原資が大きく不足する一部のステーション」としています。区分は、職員の給与の総額と医療保険の利用者の割合などから、ステーションごとに計算して届け出ます。
注3の1,830円は、どんなステーション?
告示の注3は「継続して賃上げに係る取組を実施した訪問看護ステーションについては、所定額に代えて1,830円を算定する。」と定めています。施設基準の通知によると、次のどちらかに当たるステーションです。
- 2026年3月31日時点で届け出ていた——2026年3月31日時点で、訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)を届け出ていたステーション
- 2024年3月から一定以上上げた——対象職員の基本給などを2024年3月時点の給与体系に当てはめて比べ、2026年度に5.5%(看護補助者・事務職員は8%)以上に相当するベースアップなどをしたステーション。2027年度の基準は8.7%(同13.7%)
2026年4月以降に算定を始めたステーションは、1つ目の2026年3月31日時点には入りません。疑義解釈その1 問1は「同年4月以降に算定を開始する保険医療機関(訪問看護ステーション)は含まれない。」と答えています。
厚生労働省の概要資料は、2025年度以前から継続して賃上げをしてきた職場について「令和6年度改定でのベースアップ評価料の評価を踏まえた報酬額が設定される。」と説明しています。金額で見ると、1,830円は2024年度からの780円に1,050円を足した額と同じで、2,880円も780円に2,100円を足した額と同じです。
1,050円は職員1人の額ではない(編集部試算)
訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)は、医療保険で訪問看護を受ける利用者1人につき月1回、ステーションが受け取ります。ステーションに入る額は、職員の人数や給料ではなく、医療保険の利用者の人数で決まります。医療保険の利用者10人あたりで計算すると次のとおりです。
| 利用者10人あたり(月) | 2026年6月〜 | 2027年6月〜(予定) |
|---|---|---|
| (Ⅰ) | 10,500円 | 21,000円 |
| (Ⅰ)の注3 | 18,300円 | 28,800円 |
この収入の使い道について、施設基準の通知は「基本給又は決まって毎月支払われる手当」の引き上げと、それに伴う賞与・時間外手当・法定福利費(事業者の負担分を含む)などの増加分に充てるよう定めています。一人ひとりの上がり幅は、職場がこの収入をどう配るかで決まります。国の目標の率を月の基本給などに当てはめると、次のようになります。
| 月の基本給など | 2026年度の目標 | 2027年度までの合計 |
|---|---|---|
| 25万円 | 8,000円(3.2%) | 16,000円(6.4%) |
| 30万円 | 9,600円(3.2%) | 19,200円(6.4%) |
| 35万円 | 11,200円(3.2%) | 22,400円(6.4%) |
| 25万円(看護補助者・事務職員) | 14,250円(5.7%) | 28,500円(11.4%) |
看護師の平均的な所定内給与333,200円(令和7年賃金構造基本統計調査。病院なども含む看護師全体)に当てはめると、2026年度の分は月10,662円です(詳しくは看護師のベースアップ手当はいくら?)。なお、厚生労働省は、3.2%に届かない場合でもベースアップ評価料は算定できると答えています(疑義解釈その2 問7)。
対象になる職員(管理者・事務職員・リハビリ職・パート・派遣)
2026年度から、訪問看護ステーションで働く職員は広く対象になりました。厚生労働省の概要資料で施設基準を比べると、改定前の「主として医療に従事する職員が勤務していること。」が、改定後は「当該訪問看護ステーションに勤務する職員がいること。」に変わっています。改定前は職場の種類を問わず、対象職員が「主として医療に従事する職員(医師、歯科医師、専ら事務作業を行う事務職員等を除く。)」とされていました。
| 働く人 | 2026年6月から |
|---|---|
| 看護師・准看護師・保健師・助産師 | 対象(年齢の制限なし) |
| 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 | 対象 |
| 看護補助者・事務職員 | 対象(目標は5.7%)。事務職員は2026年度から |
| 管理者 | 専ら管理者の業務をする人は対象外 |
| パート(非常勤) | 非常勤を除く定めはない |
| 派遣の職員 | 条件を満たせば対象にできる |
| 業務委託で働く人 | 対象外 |
- 管理者——留意事項通知は、対象職員から「専ら管理者の業務に従事する者及び業務委託により勤務する者を除く。」としています。除かれるのは、専ら管理者の業務をする人です。訪問にも出る管理者の扱いをはっきり答えた疑義解釈は、その1からその13(2026年9月25日)までには見当たりませんでした。自分が当てはまるかは職場に確かめてください
- 年齢——40歳未満に限られるのは、医師・歯科医師と保険薬局の薬剤師です。訪問看護ステーションの職員に年齢の制限はありません
- 派遣の職員——職場が派遣元と相談・協力して、職場の職員と同じ程度以上の賃金改善を行うなどの条件を満たせば、対象にできます(疑義解釈その1 問2)。業務委託(請負)で働く人は対象外です
介護保険の利用者の分はどうなる?
訪問看護ベースアップ評価料は、医療保険の訪問看護療養費の仕組みです。介護保険の訪問看護だけを使う利用者の分は、算定の対象になりません。(Ⅱ)の区分を決める計算でも、施設基準の通知は医療保険の利用者の割合を使い、「同一月に医療保険制度と介護保険制度の給付の対象となる訪問看護を受けた者については、医療保険制度の給付による場合として取り扱うこと。」としています。
介護保険の側では、2026年6月の介護報酬の改定で、訪問看護にも処遇改善の加算ができました。厚生労働省老健局の通知(令和8年3月13日)は「これまで処遇改善加算の対象外だった、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援等に介護職員等処遇改善加算を創設することとした。」とし、加算率を(介護予防)訪問看護で1.8%(2026年6月以降)としています。
訪問看護ステーションの賃上げを支える国の仕組みは、医療保険の利用者の分がベースアップ評価料、介護保険の利用者の分が介護職員等処遇改善加算という2本立てになりました。どちらも職場が手続きをして算定するものなので、両方を届け出ているかを職場に確かめてください。
給料のどこに出る?(基本給・手当・一時金)
- 基本給か、毎月決まって支払われる手当——施設基準の通知は、収入を「基本給又は決まって毎月支払われる手当」の引き上げ(ベア等)と、それに伴う賞与・時間外手当・法定福利費などの増加分に使うよう定めています
- 定期昇給は含まない——厚生労働省の概要資料は「年齢や勤続年数が増加したことによる給与の引き上げ(定期昇給)は、ベースアップに含まれない。」としています
- 一時金で配れるのは例外——ベースアップをしたうえで、利用者数の変動などで収入が上回り、追加のベースアップが難しい場合に限って「賞与等の手当など、ベア等以外の方法による賃金改善を行うことが認められる。」とされています
- ほかの手当は下げられない——「当該評価料によって賃金の改善を実施する項目以外の賃金項目(業績等に応じて変動するものを除く。)の水準を低下させてはならない。」とされています。事業を続けるために賃金の水準を下げたうえで賃金改善をする場合は、職場が「特別事情届出書」を地方厚生局に届け出る決まりです
- 夜勤手当——「恒常的に夜間を含む交替制勤務をとっている職場の職員に支払われる夜勤手当については、決まって毎月支払われる手当に準じて基本給等に含めて差し支えない。」とされています
- 4月から上げてもよい——「6月から翌年5月の1年間に算定した当該評価料による収入を、当該年の4月から翌年3月の賃金改善に充当することは差し支えない。」とされています
職場は届け出ている?(関東信越の10都県では約65%)
届け出ていないステーションでは、ベースアップ評価料による賃上げはありません。前回の改定後の状況について、中医協の分科会の資料(2025年8月21日)は「訪問看護ステーションにおけるベースアップ評価料の届出割合は約43%であった。」としています(2025年7月7日時点。全国20,152か所のうち8,654か所)。
2026年度の改定後はどうか。関東信越厚生局(茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・山梨・長野)が公開している名簿の表計算ファイルで、編集部が数えました。
| 都県 | ステーション | (Ⅰ)を届出 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 茨城 | 350 | 230 | 65.7% |
| 栃木 | 249 | 158 | 63.5% |
| 群馬 | 384 | 221 | 57.6% |
| 埼玉 | 1,026 | 632 | 61.6% |
| 千葉 | 862 | 543 | 63.0% |
| 東京 | 2,008 | 1,281 | 63.8% |
| 神奈川 | 1,373 | 970 | 70.6% |
| 新潟 | 220 | 159 | 72.3% |
| 山梨 | 107 | 77 | 72.0% |
| 長野 | 253 | 162 | 64.0% |
| 計 | 6,832 | 4,433 | 64.9% |
関東信越の10都県では、2026年8月1日時点で、訪問看護ステーションの約65%が訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)を届け出ていました。残りの3分の1あまり(2,399か所)は、名簿に載っていません。届け出ていたステーションのうち約73%(3,226か所)が注3(1,830円)で、(Ⅱ)も届け出ていたのは約7%(315か所)でした。前回の約43%とは、地域も時点も数え方も違うため、単純には比べられません。
東京都については、関東信越厚生局の東京事務所がベースアップ評価料だけの一覧も公開しています。2026年9月29日に数えると、訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)が357か所、その注3が915か所でした(一覧の見出しは令和8年8月1日現在・8月3日受付分まで)。名簿から数えた東京都の1,281か所とほぼ同じです。
自分のステーションの確かめ方
- 名簿を見る——関東信越厚生局の「届出受理指定訪問看護事業所名簿」では、受理番号の欄に(訪ベ I 1)が(Ⅰ)、(訪ベ I 1注)が注3、(訪ベ II 1~36)が(Ⅱ)として載ります。ほかの地方厚生局の名簿の場所と見方はベースアップ評価料が給料に反映されない?にまとめています
- 職場の説明を確かめる——施設基準の通知は、職場に「対象職員に対して、賃金改善を実施する方法等について、訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)の届出に合わせて周知するとともに、就業規則等の内容についても周知すること。」を求め、職員から照会を受けたら「書面を用いて説明すること等により分かりやすく回答すること。」としています
- 計画書ではなく中間報告——2024年度・2025年度に職場が作っていた「賃金改善計画書」は、2026年度から作成不要になりました(厚生労働省の概要資料)。代わりに職場は毎年8月、その年度の6月〜7月時点の賃上げの状況を「賃金改善中間報告書」で地方厚生局に報告します
これからの日程
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2026年5月 | すべてのステーションが届出(5月7日〜6月1日必着)。それまで届け出ていたステーションも届け直し |
| 2026年6月 | 新しい金額(1,050円・注3は1,830円)で算定開始 |
| 2026年8月 | 2026年度の中間報告(6月〜7月時点の賃上げの状況)。前から算定していたステーションは2025年度の実績報告も |
| 2026年末ごろ | 令和9年度の予算編成。必要なら「加減算を含め」調整(前回の改定率は2025年12月24日の大臣折衝で決定) |
| 2027年5月 | 2027年度分の届出。(Ⅰ)を2026年度から続けて算定する場合は提出不要 |
| 2027年6月 | 2段階目。(Ⅰ)2,100円・注3は2,880円(予定) |
| 2027年8月 | 2026年度分の実績報告と、2027年度分の中間報告 |
よくある質問
訪問看護のベースアップ評価料は2026年いくらですか?
訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)の注3とは何ですか?
訪問看護ベースアップ評価料の(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いは?
訪問看護ステーションの管理者は対象ですか?
介護保険の利用者だけを担当していても対象ですか?
利用者の負担は増えますか?
ベースアップ評価料の分を一時金でもらうことはありますか?
出典
- 厚生労働省「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第74号)」(抜粋)(金額・注3・2027年6月以降、2026年9月29日確認)
- 「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和8年3月5日保医発0305第19号・抜粋)(対象職員・算定の単位、2026年9月29日確認)
- 「訪問看護ステーションの基準に係る届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日保医発0305第9号・抜粋)(使い道・注3の基準・(Ⅱ)の計算・周知と説明、2026年9月29日確認)
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要(訪問看護ステーション向け)」(抜粋)・「令和8年度診療報酬改定の概要 1.賃上げ・物価対応(賃上げ)」・「令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料等について」(目標・対象職員の変更・定期昇給・賃金改善計画書、2026年9月29日確認)
- 厚生労働省「ベースアップ評価料の届出に必要な様式 早見表<令和8年度版> 訪問看護ステーションの場合」・「令和8年5月以前からベースアップ評価料を算定している訪問看護ステーション」・「令和8年6月以降に初めてベースアップ評価料の算定を始める訪問看護ステーション」((Ⅱ)の対象・届出と報告の日程、2026年9月29日確認)
- 厚生労働省「診療報酬改定について」(令和7年12月24日の大臣折衝事項)(令和9年度の調整、2026年9月29日確認)
- 厚生労働省 疑義解釈資料の送付について(その1)(令和8年3月23日)・(その2)(令和8年4月1日)(注3の3月31日時点・派遣の職員・3.2%に届かない場合の算定、2026年9月29日確認)
- 中央社会保険医療協議会 入院・外来医療等の調査・評価分科会(2025年8月21日)資料(前回の訪問看護の届出割合、2026年9月29日確認)
- 厚生労働省老健局「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」(令和8年3月13日老発0313第6号)(訪問看護の処遇改善加算・加算率、2026年9月29日確認)
- 関東信越厚生局「指定訪問看護ステーションの指定一覧及び訪問看護ステーションの基準の届出受理状況」(指定一覧と名簿の表計算ファイル・略称、2026年9月29日確認)
- 関東信越厚生局 東京事務所(ベースアップ評価料等の届出受理の一覧、2026年9月29日確認)
- 政府統計の総合窓口(e-Stat)令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者・職種 第1表(看護師の所定内給与額、2026年9月29日確認)
本記事の金額・日付・条件は、上記の公表資料の記載を確認日時点で書き写したものです。2027年6月以降の金額は2026年9月29日時点の告示の記載で、令和9年度の予算編成などで変わる場合があります。月給にあてはめた金額と利用者10人あたりの金額は編集部試算、届出の割合は公表された名簿をもとにした編集部集計で、実際の支給額は勤務先ごとに異なります。当編集部は、記事で取り上げる医療機関・訪問看護ステーション・求人サービス各社の関係者ではありません。
更新履歴
- 2026年9月29日:公開