当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

看護師の給料は2027年も上がる?2027年6月に倍増予定、12月の予算編成で調整も

看護師の給料は2027年も上がるのか。答えを先に書くと、制度の上では、ベースアップ評価料の点数を2027年6月から2倍にする2段階目が点数表に書かれています。厚生労働省の資料は、賃上げの目標を「令和8年度に3.2%(看護補助者・事務職員は5.7%)、令和9年度にさらに3.2%(看護補助者・事務職員は5.7%)の賃上げを目指す」としています(2026年9月29日確認)。

ただし、確定ではありません。2025年12月24日の大臣折衝事項は、経済・物価の動きが見通しから大きく変わり、医療機関の経営に支障が出た場合について、「令和9年度予算編成において加減算を含め更なる必要な調整を行う。」としています。その判断の材料として、中央社会保険医療協議会(中医協)が2026年4月に承認した臨時調査があり、実施案では9月中旬に調査票を配り、結果の報告は11月下旬を目標としています。

看護師の給料は2027年も上がるか。ベースアップ評価料は2027年6月から点数を2倍にする2段階目が点数表に書かれ、目標は2027年度にさらに3.2%。ただし年末の予算編成で加減算を含めた調整の条項があり、判断材料の中医協の臨時調査は11月下旬の報告が目標
2段階目
2027年6月から点数を2倍にする(点数表に記載)
2027年度の目標
さらに3.2%(看護補助者・事務職員は5.7%)
見直しの条項
令和9年度の予算編成で「加減算を含め」調整
判断の材料
中医協の臨時調査(予定=9月中旬配布・11月上旬回答期限・11月下旬報告が目標)
確認日
2026年9月29日

「令和8年度」は2026年度、「令和9年度」は2027年度です。ベースアップ評価料の算定の年度は、6月から翌年5月までで区切られています。制度の全体はベースアップ評価料の総まとめで扱っています。

2027年6月に何が変わる予定か(点数の表)

2026年6月の改定は、2026年度と2027年度の2年分をまとめて決めています。厚生労働省の概要資料は、外来・在宅のベースアップ評価料について「令和9年度においては、①に相当する点数を倍増する。」、入院については「令和9年度においては、入院ベースアップ評価料で得られる額が倍になるよう区分等を見直す。」と説明しています。点数表に書かれた2027年6月からの点数は次のとおりです。

種類主な職場2026年6月〜2027年5月2027年6月〜
外来・在宅(Ⅰ)病院・診療所初診時17点、再診時等4点初診時34点、再診時等8点
外来・在宅(Ⅰ)継続2026年3月31日時点で届け出ていた施設など初診時23点、再診時等6点初診時40点、再診時等10点
入院入院のある病院・有床診療所1〜250点(1日につき・区分)500点まで(区分を拡大)
訪問看護(Ⅰ)訪問看護ステーション1,050円(継続は1,830円)2,100円(継続は2,880円)
調剤保険薬局4点(処方箋の受付1回につき)所定点数の100分の200(8点)
厚生労働省の点数表(医科・調剤・訪問看護の抜粋)と「令和8年度診療報酬改定の概要 1.賃上げ・物価対応(賃上げ)」より編集部作成(2026年9月29日確認)。訪問診療時の点数などは省略。※スマートフォンでは横にスクロールできます

医科点数表は、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)について「1から3までに規定する点数について、令和9年6月以降においては、それぞれ所定点数の100分の200に相当する点数により算定する。」と定め、入院ベースアップ評価料については「251から500までに規定する点数については、令和9年6月以降において算定する。」としています。2段階目は、改定の時点で点数表に書き込まれています。訪問看護ステーションの金額と対象職員は訪問看護のベースアップ評価料2026で扱っています。

看護師の給料にすると(編集部試算)

2027年度の目標の3.2%を2026年度の3.2%と合わせると、改定前の給与から見て6.4%です。看護師の平均的な所定内給与333,200円(令和7年賃金構造基本統計調査)に当てはめると、2026年度の分が月10,662円、2027年度までの合計が月21,325円になります(編集部試算)。

これは職場全体の目標の率を平均的な給与に掛けた目安で、一人ひとりに保証された額ではありません。厚生労働省は、3.2%に届かない場合でもベースアップ評価料は算定できると答えています(疑義解釈その2 問7)。月給ごとの目安は看護師のベースアップ手当はいくら?にまとめています。

年末の予算編成で「調整」がありうる

2段階目は点数表に書かれていますが、2025年12月24日の大臣折衝事項には次の条項があります。

  • どんなとき——「実際の経済・物価の動向が令和8年度診療報酬改定時の見通しから大きく変動し、医療機関等の経営状況に支障が生じた場合には」
  • 何を——改定率のうち、賃上げ分・物価対応分・食費と光熱水費の分(特例的な対応の分を除く)
  • どうする——「令和9年度予算編成において加減算を含め更なる必要な調整を行う。」

「加減算を含め」とあるので、調整は上乗せにも、差し引きにもなりえます。どちらになるか、調整そのものがあるかは、2026年9月29日の時点では決まっていません。前回、令和8年度の改定率が決まったのは2025年12月24日の大臣折衝でした。

判断の材料=中医協の臨時調査(2026年9月〜11月)

大臣折衝事項は、調整の判断に必要な情報を把握するため「令和8年度の医療機関の経営状況等について調査を実施する。」としています。これを受けて、2026年4月8日の中医協総会は「令和8年度医療機関等の経営状況に係る臨時調査」の実施案を承認しました。実施案の中身は次のとおりです。

調査票の配布令和8年(2026年)9月中旬
回答の期限令和8年11月上旬
結果の報告11月下旬が目標
調べる期間令和7年6月〜9月と、令和8年6月〜9月の2つ(改定の前後を比べる)
対象全国の病院・一般診療所・歯科診療所と、1か月の調剤報酬明細書が300件以上の保険薬局(抽出)
集計の項目(一部)病院機能別・入院基本料別の損益、診療所の診療科別の損益、ベースアップ評価料の算定状況別の損益の状況など
中医協 総会(2026年4月8日)資料「令和8年度医療機関等の経営状況に係る臨時調査の実施案」と議事録より編集部作成(2026年9月29日確認)。日程は実施案に書かれた予定です

実施案は、報告の時期を「調査結果の報告時期については、11 月下旬を目標とする。」と書き、集計の項目に「ベースアップ評価料の算定状況別の損益の状況」を入れています。11月下旬の報告と、その後の予算編成が、2027年6月からの中身を見るうえでの節目になります。

これからの日程

時期できごと
2026年9月中旬中医協の臨時調査の調査票を配布(実施案の予定)
2026年11月上旬臨時調査の回答期限
2026年11月下旬臨時調査の結果の報告(目標)
2026年末ごろ令和9年度の予算編成。必要なら「加減算を含め」調整(前回の改定率は2025年12月24日の大臣折衝で決定)
2027年5月職場が2027年度分を届け出る。外来・在宅(Ⅰ)・訪問看護(Ⅰ)・調剤を2026年度から続けて算定する場合は提出不要
2027年6月2段階目。点数が2倍になるなど(調整がなければ点数表のとおり)
2027年8月職場が2026年度分の実績報告と、2027年度分の中間報告を提出
2028年度次の診療報酬改定(令和10年度)
大臣折衝事項、中医協の臨時調査の実施案、厚生労働省の届出と報告のスケジュールの資料より編集部作成(2026年9月29日確認)

2027年度に「継続して賃上げを行っている」とされる職場の基準

2026年3月31日時点で外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)などを届け出ていた職場のほかに、2024年3月と比べて基本給などを一定以上上げた職場も、「継続して賃上げを行っている施設」として高いほうの点数を算定できます。施設基準の通知は、その水準を2026年度は5.5%(看護補助者・事務職員は8%)、2027年度は「8分7厘(看護補助者、事務職員については、1割3分7厘)」、つまり8.7%(同13.7%)としています。

これは職場が高いほうの点数を算定するための条件で、一人ひとりの給料をこの率だけ上げるという決まりではありません。ただ、2024年3月を起点に、2027年度には8.7%のベースアップをしている職場を「継続して賃上げを行っている」とみなす、という国の物差しが読み取れます。

看護職員処遇改善評価料は2027年に変わる?

救急医療を担う医療機関などにある「看護職員処遇改善評価料」(2022年10月開始)は、2026年度の改定後も続いています。医科点数表(抜粋)で2027年6月以降の扱いが書かれているのはベースアップ評価料で、看護職員処遇改善評価料(1点〜340点)には、同じような定めは見当たりませんでした(2026年9月29日確認)。

2027年に向けて、自分の職場で確かめたいこと

  • 職場がベースアップ評価料を届け出ているか——届け出ていない職場では、評価料による賃上げはありません。全国8つの地方厚生局・支局が公開している「届出受理医療機関名簿」で確かめられます。見方はベースアップ評価料が給料に反映されない?にまとめています
  • 2026年度の賃上げがどう配られたか——施設基準は、職員から照会を受けたら「書面を用いて説明すること等により分かりやすく回答すること」を職場に求めています
  • 2027年6月以降の賃上げの予定——2段階目の点数で得た収入も、基本給や毎月決まって支払われる手当の引き上げに使う決まりです。職場の就業規則や説明を確かめてください

よくある質問

看護師の給料は2027年も上がりますか?
制度の上では、ベースアップ評価料の点数を2027年6月から2倍にする2段階目が点数表に書かれていて、目標は2027年度にさらに3.2%(看護補助者は5.7%)です。ただし、令和9年度の予算編成で加減算を含めて調整する条項があり、確定ではありません。一人ひとりの上がり幅は職場の配り方で変わります(2026年9月29日確認)。
2027年に診療報酬改定はありますか?
2025年12月24日の大臣折衝事項は、2027年度について「令和9年度の薬価改定を着実に実施する。」としています。診療報酬については、2026年度の改定で決めた2段階目(2027年6月から)と、必要な場合の調整が書かれています。次の診療報酬改定は令和10年度(2028年度)です。
2段階目がなくなることはありますか?
2段階目は点数表に書かれていますが、経済・物価が見通しから大きく変わり医療機関の経営に支障が出た場合は、令和9年度の予算編成で加減算を含めて調整するとされています。判断の材料になる中医協の臨時調査は、11月下旬の報告が目標です。2026年9月29日の時点で、調整の有無や中身は決まっていません。
ベースアップ評価料の2027年の点数は?
点数表では、2027年6月から外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)が初診時34点・再診時等8点(継続して賃上げしている施設は40点・10点)、訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)が2,100円(同2,880円)、調剤ベースアップ評価料が所定点数の100分の200(8点)になり、入院ベースアップ評価料は区分が500まで広がります。
看護職員処遇改善評価料も2027年に上がりますか?
医科点数表(抜粋)で2027年6月以降の点数が書かれているのはベースアップ評価料で、看護職員処遇改善評価料には同じような定めは見当たりませんでした(2026年9月29日確認)。

出典

本記事の金額・日付・条件は、上記の公表資料の記載を確認日時点で書き写したものです。2027年6月以降の点数は2026年9月29日時点の点数表の記載で、令和9年度の予算編成などで変わる場合があります。月給にあてはめた金額は編集部試算で、実際の支給額は勤務先ごとに異なります。当編集部は、記事で取り上げる医療機関・薬局・求人サービス各社の関係者ではありません。

更新履歴

  • 2026年9月29日:公開。同日、訪問看護の記事への案内を追加