ベースアップ評価料で夜勤手当は上がる?2026年から増額に使えるように|二交代の平均11,470円は2010年からほぼ横ばい
ベースアップ評価料で夜勤手当は上がるのか。答えを先に書くと、2026年6月の診療報酬改定から、ベースアップ評価料と看護職員処遇改善評価料の収入を夜勤手当の増額に使えるようになりました。厚生労働省の概要資料は「夜勤職員の確保を行う観点から、看護職員処遇改善評価料及びベースアップ評価料による収入を、夜勤手当の増額に用いることを可能とする。」としています(2026年9月30日確認)。
ただし、夜勤手当を上げるかどうか、いくら上げるかは病院が決めます。評価料の収入を基本給の引き上げに使う病院もあります。日本看護協会の「2025年 病院看護実態調査」では、夜勤1回あたりの定額の夜勤手当は二交代制の平均で11,470円(2025年)と、2010年の10,745円からほとんど変わっていません。
- 2026年6月〜
- 評価料の収入を夜勤手当の増額に使える
- 対象の手当
- 恒常的に夜間を含む交替制勤務の職場の夜勤手当
- 使える評価料
- ベースアップ評価料、看護職員処遇改善評価料(訪問看護ステーションも同じ決まり)
- 夜勤手当の平均
- 二交代11,470円・三交代の深夜勤5,211円・準夜勤4,300円(2025年・1回あたり)
- 決めるのは
- 病院(上げるかどうか・いくらか)
- 確認日
- 2026年9月30日
「令和8年度」は2026年度です。ベースアップ評価料そのものの仕組みはベースアップ評価料の総まとめで扱っています。
2026年に何が変わった?(夜勤手当も「基本給等」に)
ベースアップ評価料の収入は、職員の「基本給等」を引き上げるのに使う決まりです。施設基準の通知は、収入の使い道を「当該評価料により得られる収入は、対象職員の基本給又は決まって毎月支払われる手当」の引き上げと、それに伴う賞与・時間外手当・法定福利費などの増加分としています。
2026年6月の改定で、施設基準の通知に夜勤手当についての次の一文が入り、北海道厚生局も、夜勤手当が基本給等総額に入るのは2026年度の改定からだと説明しています。
- 施設基準の通知——「恒常的に夜間を含む交替制勤務をとっている職場の職員に支払われる夜勤手当については、決まって毎月支払われる手当に準じて基本給等に含めて差し支えない。」
- 北海道厚生局のよくある質問——「なお、令和8年度改定(令和8年中間報告書)からは、恒常的に夜間を含む交代制勤務をとっている職場の職員に支払われる夜勤手当も基本給等総額に含まれることとなりました。」
夜勤手当が「基本給等」に入ったことで、夜勤手当の引き上げも、評価料による賃上げ(ベースアップ)として数えられるようになりました。同じ一文は、病院・診療所のベースアップ評価料、看護職員処遇改善評価料、訪問看護ステーションのベースアップ評価料の施設基準にも入っています。
対象になる夜勤手当(恒常的に夜間を含む交替制勤務の職場)
- 対象——二交代制や三交代制など、夜間を含む交替制の勤務をいつも組んでいる職場(病棟など)の職員に払う夜勤手当
- 夜勤をしない人——日勤だけの職員や、夜勤を免除されている職員は、夜勤手当の引き上げでは賃金が上がりません。病院が評価料の収入を夜勤手当に多く回すと、日勤だけの人の上がり幅は小さくなることがあります
- 言葉の意味——「恒常的に」がどの程度を指すかを説明した疑義解釈は、その1からその13(2026年9月25日)までには見当たりませんでした。自分の職場が当てはまるかは、病院に確かめてください
夜勤手当は2010年からほぼ横ばい(日本看護協会)
日本看護協会は、2026年3月31日に公表した調査結果の見出しで「2010年以降、看護職員の夜勤手当は横ばい」とし、「看護師の月額給与は上がっているものの、夜勤手当額は、10年以上横ばいが続いている。」と書いています。夜勤1回あたりの定額の夜勤手当の平均は次のとおりです。
| 年 | 二交代制 | 三交代・深夜勤 | 三交代・準夜勤 |
|---|---|---|---|
| 2010年 | 10,745円 | 5,053円 | 4,077円 |
| 2014年 | 10,859円 | 5,259円 | 4,190円 |
| 2015年 | 10,711円 | 4,953円 | 3,983円 |
| 2016年 | 10,772円 | 5,023円 | 4,076円 |
| 2017年 | 10,999円 | 5,066円 | 4,149円 |
| 2018年 | 11,019円 | 5,053円 | 4,090円 |
| 2019年 | 11,026円 | 5,033円 | 4,141円 |
| 2020年 | 11,286円 | 5,122円 | 4,154円 |
| 2023年 | 11,368円 | 5,199円 | 4,234円 |
| 2025年 | 11,470円 | 5,211円 | 4,300円 |
二交代制の平均は、2010年から2025年までの15年で725円(約6.7%)の増加でした(編集部計算)。同じ調査は、支給のしかたとして「深夜時間帯の割増賃金を含む定額の夜勤手当を支給している」が52.0%と最も多かったとしています(3,502病院)。
| 平日の夜勤1回の手当の払い方 | 病院の割合 |
|---|---|
| 深夜の割増賃金を含む定額の夜勤手当 | 52.0% |
| 深夜の割増賃金とは別に定額の夜勤手当 | 31.2% |
| 深夜の割増賃金だけ(夜勤手当なし) | 4.5% |
| 上のどれにも当てはまらない | 7.7% |
| 無回答・不明 | 4.6% |
月にするといくら?(編集部試算)
日本看護協会の2025年の平均に回数を掛けると、夜勤手当の月の合計の目安は次のようになります。
| 働き方 | 月の回数 | 夜勤手当の合計 |
|---|---|---|
| 二交代制 | 4回 | 45,880円 |
| 二交代制 | 5回 | 57,350円 |
| 三交代制 | 深夜勤4回+準夜勤4回 | 38,044円 |
基本給の引き上げと違い、夜勤手当の引き上げは夜勤をした回数だけ給与に出ます。夜勤の多い人ほど効き、夜勤をしない人には届きません。看護師の給与にベースアップ評価料の目標(3.2%)を当てはめた目安は看護師のベースアップ手当はいくら?にまとめています。
看護職員処遇改善評価料の収入も使える
救急搬送が年200件以上などの病院にある看護職員処遇改善評価料も、同じく夜勤手当の増額に使えます。この評価料は、賃金改善の合計額の3分の2以上を「基本給等」の引き上げで行う決まりで、交替制勤務の職場の夜勤手当はこの「基本給等」に含めてよいとされています。対象の病院と使い道は看護師の処遇改善手当2026で扱っています。
自分の職場で確かめること
- 夜勤手当の規程が変わったか——就業規則や給与規程の夜勤手当の額が、2026年6月の前と後で変わったかを見ます。施設基準の通知は、賃金改善の方法などを職員に周知し、就業規則などの内容も周知するよう病院に求めています
- 書面で説明を求められる——職員から照会を受けたら、病院は「書面を用いて説明すること等により分かりやすく回答すること。」とされています
- 職場が届け出ているか——ベースアップ評価料を届け出ていない職場では、評価料による賃上げはありません。地方厚生局の名簿での確かめ方はベースアップ評価料が給料に反映されない?にまとめています
よくある質問
ベースアップ評価料で夜勤手当は上がりますか?
看護師の夜勤手当は1回いくらですか?
夜勤手当は上がっていないのですか?
夜勤をしていない看護師も得をしますか?
訪問看護ステーションも同じですか?
出典
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要 1.賃上げ・物価対応(賃上げ)」・「令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料等について」(夜勤手当の増額に使えること、2026年9月30日確認)
- 「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日保医発0305第8号・抜粋)・「訪問看護ステーションの基準に係る届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日保医発0305第9号・抜粋)(使い道・夜勤手当・周知と説明、2026年9月30日確認)
- 北海道厚生局「ベースアップ評価料等に関するよくあるご質問」(令和8年8月18日時点)(基本給等総額と夜勤手当、2026年9月30日確認)
- 日本看護協会「「2025年 病院看護実態調査」結果」(2026年3月31日)(夜勤手当の額と支給のしかた、2026年9月30日確認)
本記事の条件・日付は、上記の公表資料の記載を確認日時点で書き写したものです。夜勤手当の額は日本看護協会の調査の平均で、月の合計は編集部試算です。実際の支給額は勤務先ごとに異なります。当編集部は、記事で取り上げる医療機関・団体・求人サービス各社の関係者ではありません。
更新履歴
- 2026年9月30日:公開